子どもの時間

公園を歩いていた。子どもが「こんにちは」と言ってきた。「こんにちは」と返した。煙草を吸っていた。景色を見ていた。さっきの子が、ミニ二輪車で帰ってきた。僕の顔を見て、何か言ってほしいようだった。「上手?」と訊いてきた。「上手」と返した。慣れていない様子で、円柱に立て掛けた。ベンチの隣に登ってきた。漫然と動いていた。

"事案"という言葉が思い浮かぶ。見知らぬ大人が子どもに声をかける、ただそれだけで、警察に通報され、報道されることがある昨今だ。無視していた。煙草を吸い終えた。子どもは、遠くの親元へと走って行った。立ち上がり、逃げるようにして歩いていく。

「また明日遊ぼう」

張りのある、元気な声だった。振り返り、手を振った。子どもは、別の方に振り向く瞬間だった。

"また"、"遊ぼう"。

子どもとのやり取りは、二三言で、ほんの二十秒足らずだった。

ゲーム「ダークソウル2」感想・実況プレイ動画

つい最近まで、ダークソウル2 を夢中でやっていた。DLC (全3つ入り2000円) を買ってからが、特におもしろかった。本編をやっていて物足りないのなら、是非やるべき内容となっている。難易度的には、本編のどのステージよりも難しく、濃く、やり応えのあるボリュームと品質になっている。ラスボスを倒したあとに行くくらいがちょうどいいだろう。

2周目はさらに難しくなり、白と協力し合って進むのが前提となっているのではなかろうかというくらいの難易度で、実際、そういうために用意されたボス戦もある。だいたいどのボス霧前にも、NPC 白霊が 2 人用意されている。ダークソウル1 から比べると、本編が圧倒的にヌルゲーと化しているので、死にゲーを望むのなら DLC はオススメだ。

雷の武器は信仰で強くなる

ダークソウル2 (DS2) と ダークソウル (DS1) を比較すると、いろいろと、変わったところがある。武器の派生は、DS1 とだいたい同じだが、神聖や邪教がなくなり、闇が加わった。さらに、雷属性の武器をつくると、信仰ステに能力値補正が生じるようになった。これによって、理力を大量に上げると、魔力の武器がとんでもない強さになるのと同じように、信仰によって、雷の武器がとんでもなく強くなるのだ。DS1 では、雷は、ただでさえ属性ダメージが強く、さらに、だいたいどの敵にも効くという、最強の属性であったが、DS2 では、魔力と雷は似たようなモンになっている。魔力にない、雷の利点としては、水場の敵によく効くというところだ。

仲間も助けられる奇跡「大回復」

DS1 では、聖職者 NPC がろくでもないヤツらばかりで、奇跡・信仰が嫌いだったが、DS2 でオンライン協力プレイしてわかったのは、「大回復」はお世話になりすぎるということだ。DS1 の頃は、協力なんてやらずに、ひとりでやるのが楽しいということで、ずっとひとりでやってたが、DS2 で協力の楽しさを知った。大回復中の仲間の周囲に発生する魔方陣に触れると、自分も回復できるのだ。便利すぎる。

レベルが上げやすい

DS2 は、レベルアップに必要なソウル量が少ないので、ボスを倒すごとに簡単に 5 レベルくらい上げられる感じだ。この仕様変更は素晴らしく、HP・スタミナ・筋力・記憶力・信仰を、わりかしサクサク鍛えていくことができるから、短時間で好みのプレイヤーにつくりあげることができる。

篝火の探求者というアイテムを使うと、同じボス戦に何度も挑めて、莫大なソウルを得られまくるから、さらに拍車をかけている。それから、ソウルの器を使うと、ステータスの振り直しが可能で、聖職者から脳筋へのジョブチェンジ、技量マンから魔術師へのジョブチェンジなどが、簡単に行える。便利になったものだ。

炎の武器・呪術は、理力・信仰で強くなる

炎の武器にも、能力値補正が発生する。理力と信仰だ。どちらのステータスも影響してくる。ただ、最近つくった聖職者においては、雷の武器と炎の武器、どちらもほぼ同じ威力が出ていた。どうやら、高いほうのステータスに依存するようだ。それから、噂では、呪術も、理力・信仰で強くなるとのことだ。呪術といえば、DS1 では、魔術・奇跡でもない、第三の魔法として、誰でも使えるかわいいやつだったが、DS2 では、魔法ステが影響してくる仕様になった。これはちと、第三の魔法としての自立感が薄まって残念だ。もちろん、呪術の火を強化すれば、かなりの威力になるのだが。もともと、原初、すべての魔法は呪術だったのだから、理力・信仰とのつながりがあっても、まあ、物語としては妥当なのかな。

遠距離攻撃は、弓系・魔術・奇跡

遠距離攻撃といえば、DS1 では、魔術のお世話になっていた。弓もよく使っていて、SL1 での攻略では、事前に遠くの敵を処理しておくことが重要だった。DS2 で、奇跡を使い始めたわけだが、奇跡にも、遠距離攻撃があるのだ。「雷の槍」系だ。DS1 にも、たしか太陽の制約で取れる特殊な奇跡として存在していたような気もするが、よく知らない。「雷の大槍」はかなり強くて、「ソウルの槍」ほどの感じだろうか。記憶力を上げると、記憶スロットも増えるが、なんとスペル使用回数も増えていく。1周回で入手できる「雷の大槍」は 3 つもある。これで 3 つ記憶しておいて、記憶力を上げると、1 ステージを十分に攻略できるほどの槍を放つことができる。まあ、DS2 では、スペル使用回数を回復する草が追加されているので、それを食えば、なんぼでも打てるのだが。

そういえば、クロスボウに、自由照準が加わった。両手持ちにして、L1 で、弓と同様にスコープ狙いができる。スタミナ消費の少なさや能力値補正の発生や矢の安さの分、弓のほうが強いが、技量のないプレイヤーでも扱えるクロスボウでもシューティングが楽しめるようになった。

左手武器を両手持ちできる!

DS1 では、△ボタンで、右手武器を両手持ちすることができ、より強い攻撃を出すことが可能だったが、DS2 では△ボタン長押しで、左手武器を両手持ちすることができるようになった。このことにより、とっさの両手盾が簡単に実現でき、茨の道スルー作戦を突発的に実践できるようになったりと、戦略に幅が広がった。左手にクロスボウを持ち、それを両手持ちしてスコープ狙いをするというプレイスタイルは、けっこうハマった。右手武器を両手持ちしたとき、クロスボウを背負ってるのがかっこいいし。

実況プレイ動画

ダークソウル2 にハマったことにより、数々の実況プレイ動画を楽しむことができている。ゲームは素晴らしい。たったひとつの作品にハマるだけで、日々アップロードされ続ける、多数のプレイ動画を延々と鑑賞しつづけられる。

以下に、お気に入り動画シリーズのリンクを貼っておく。どの実況者さんの動画も、非常におもしろく、無料でこんな贅沢なコンテンツを鑑賞できるのは、たいへんいい時代だと言わざるを得ない。これらの動画を楽しむためにも、人類は、ダークソウル2 をプレイすべきである。

ダークソウル1でも実況プレイをやっていた方。そのときの初見実況では、ひたすらロンソを集めるという、ロンソ愛が楽しかった。また、ただでさえ死にゲーなのに、縛りを設けて、常人なら裸足で逃げ出す高難易度実況プレイも行っており、それも楽しかった。今回のダークソウル2実況でも、フジマロさんならではの丁寧な探索と、ゲーム世界の解釈は、安定したおもしろさがある。

きお!さんによる初見実況。編集が凝っていて、SE やイラストも楽しめる。きお!さんは、フジマロさんと古くからの友人だが、フジマロさん以上に探索が丁寧で、どんな小さなモノも見逃さないプレイスタイルは、研究者のような姿勢だ。DS1 の実況では、NPC 異端の魔女ビアトリスにうつつを抜かしていたが、今回の実況でも彼女への思いが変わらないことが確認できる。なんと、現在いまだ投稿が完結しておらず、2 日に 1 回ほどのペースで更新がある。

ふぅさんによる、初見実況。ダークソウル1では、RTA 動画や、トロコン解説実況、全NPC殺害実況など、多数の人気動画を生み出してきたが、今回はなんと、初見実況なのである。自称「玄人」であり、RTA のルート研究・技術は本物で、格ゲーでもガチれるほどの動体視力や判断力は、実際、玄人級である。だがしかし、さすがに初見では、死にまくるのであり、まるで素人のようなプレイも合わせて楽しめる。

がばちょさんによる、超高難易度の縛りプレイ。本編と DLC、2 つのシリーズがある。本物のドMであり、基本的にオワタ式のカンスト世界において、ボスに数百回殺されても、心は数回しか折れず、常に楽しんでプレイするという、とんでもない方。パリィの達人であり、ゲームの録画を分析してのフレーム数の検証コーナーもよくできている。プレイ終了後の総死亡数カウント報告に、我々凡人は絶句せざるを得ない。

Ner0* さんによる超超超高難易度の縛りプレイ解説。死なない、休息しない、遠距離武器や投げるアイテムは使用しない、SL1 固定、エンチャント禁止、危険な闇潜みも含む、クリアに必要のないボスも撃破するという、常人には到達できない、人知を超えた真のドドドM 鬼畜縛りプレイ。ダークソウル2 をプレイしたことのある人なら、誰もが彼に尊敬せざるを得ないほどの、世界有数のスーパープレイヤー。歴史に残る偉業とは、まさにこのことを言うのだろう。

愛の戦士さんによる実況プレイ。DLC エリアが初見である。初見ならではの驚き、新鮮さがある。歌舞伎マンという、メイクの凝ったプレイヤーを使用し、門を開けてはジェスチャーをして「この門を開けたのは私だ!」という台詞を言わせるなど、なりきりプレイをごく自然に、馴染んでプレイされており、こっちまで楽しくなってくる。敵に対して「歌舞伎マンが歌舞伎すぎてビビってんのか!?」などと、シンプルすぎる迷言を放つことについては右に出る者がいない。本編の動画では、ニンジンマンというプレイヤーでやっており、冒頭のおたよりコーナーの、ニャンちゅうの物真似には癒される。

新アニメ感想(東京喰種√A,みりたり!)

東京喰種√A

高画質。OPキモいし美しい絵だ。音楽はプログレっていうのかな、ジャズなのか、変なスネアの打ち方。

数か月前に放送されたトーキョーグールのつづきである。人間とグールとの戦争。グールは、普段は人間と同じ外見をしているから、見分けがつかない。捕食時や戦闘時には、体のいくらかをモンスター化したような形状になり、すさまじい攻撃力を発揮する。主人公は、事故で瀕死となり、グールの体を移植され、人間とのハーフとして生まれ変わった。

戦闘だ。対立する3つの組織があり、人間・グール・グールである。食ったり食われたりする。人間は、クインケと呼ばれる、グールの体の一部を流用した強力な武器で戦う。剣だったり、ハンマーだったりするが、今回は鎧が出てきた。そのデザインを観るのだけでもおもしろい。

争いを好まない、文科系の主人公だったが、前作の惨劇で覚醒し、積極的にバトルに参加している。かなり強く、凛々しい。

戦闘が一段落すると、主人公は、対立していたグール組織「アオギリ」への加入を、グール仲間に表明する。話が見えない。アオギリの目的は不明だが、主人公はいくらか言い当てていた。視聴者には知らされていないが、主人公はすべて理解していて、利害や思想が一致した、そんなところだろう。主人公は、殺しも人間狩りも受け入れられず、人生に迷っていたが、仲間の死や耐えがたい苦痛を経て、覚醒したことで、自分にとって何が大事なのか、目標が定まったように見える。確信めいた強い眼差しと沈黙、淡々たる移動。いつもの甘さは微塵もなく、迷わず進んでいった。

あまりにも意外な展開。あの優しかった青年は、鬼と化した。これからどうなるのか。彼の人生の行く末が気になる。

みりたり!

4分アニメ。家でくつろいでいた男性がなぜか少女らに襲われる。なぜかは明かされる。単なるセールスマンである主人公の父親が、書類のミスで軍隊に入ってしまうというありえないくだらないアクシデントがあった。しかし、戦況をひっくり返すほどの意外な大活躍をしている。敵軍にとっては、脅威である。その息子の命となれば、復讐や人質として、大きな意味を持ち、狙っていくのは自然な流れ。そこで、父親と同軍である少女らは、主人公を護衛しにきた、と。最初は、主人公を狙う敵だと勘違いしたとのこと。実際、敵は近くにおり、発見すると即座にやっつけた。

絵の質が、妙にほのぼのとした、稚拙まじりの、味のある線だ。わざとなのか、全力なのかは知らず。アニメーションの技術を見ても、大したことはやっていない。だが、4分アニメ、元は4コマだ。このくらいのクオリティが、逆に効果的なのだろう。

小さいほうの女の子がかわいい。どう見ても幼女なのに、どうして軍隊に入れるレベルの戦闘力を身に付けているのかはわからないが、それがフィクションというものの可笑しさである。